【不動産お役立ちコラム】土地の境界標と測量費用

 

土地を売却する際には、売主にはその境界を明示する義務があります。


しかし、所有している土地の境界線があいまいになってしまい、売却の際に隣地住民との揉め事に発展するケースも少なくありません。


そこで今回は札幌市の土地を売却する際に必要になる境界線について解説するとともに、境界線を調べる方法と測量にかかる費用についてご説明します。

 

土地売却の際に明示する義務がある境界とは

 

土地の境界線とは、隣接する土地同士を分ける境目を指し、公法上の境界と私法上の境界があります。


公法上の境界は法務局の地図・公図に登記されている「筆界」、私法上の境界は隣り合う土地の所有者同士が話し合いで決める「所有権界」です。筆界と所有権界が一致していない場合、土地売却の際に隣地住民とトラブルに発展する恐れがあります。


そこで、境界トラブル解決のために平成18年1月から「筆界特定制度」が始まりました。
境界トラブル発生時に筆界特定制度を利用すると、裁判に比べて解決が早く、費用の負担が少なく済む点がメリットです。

 

今まで、境界の紛争に対する解決手段は裁判(境界確定訴訟)しかありませんでした。裁判ですと一般的に2年程度かかるところを筆界特定制度であれば、平均6ヵ月〜1年程度で一応の結論が出るように努力する(各法務局によって処理期間が異なる)とされているため、裁判よりも早く結論が出る制度なのです。

 

筆界特定制度(法務省のHP)

 

 

土地境界の調べ方を解説

 

ここからは不動産売却時に必要な境界線の調べ方を解説します。


先述したように、筆界と所有境界が一致していない場合は境界線を確定する必要があります。


まずは境界標の有無を確認しましょう。


土地の四隅に境界標(コンクリート杭や金属プレートなど様々な境界標があります)があれば、その内側が所有地になります。境界杭が見当たらない場合は測量し、境界を確定する必要があります。


測量は、法務局にある地図・公図・地積測量図・登記簿などを準備し、関係者立ち会いのもと測量をおこない、所有者同士の協議を経て、境界標の設置や確定図面を作成を行うという流れです。登記上の面積や境界線の長さと現地に「公差」の範囲を超える差異がある場合は、実際と登記を合致させる更正登記に至るケースが多くなります。

 

区画整理されている土地の場合は区画整理図面、地方自治体が地籍調査をおこなっている場合は地籍調査図面を境界確定の参考にします。また、過去に周辺で道路や市有地の測量が入っている場合は、札幌市に保管してある測量データを取得することもできます。


上記のような公的資料以外に、土地の購入時に売主より引き継いだ資料や記録に私的なものでも土地の境界線が明記されていることがあり、境界確定の参考にできます。

 

測量における「公差」とは?

 

「公差(こうさ)」とは、測量における許容誤差のことです。

 

様々な方法で最も正しいであろう境界点の座標や土地の面積を算出しますが、どうしても、ある程度結果にバラつきが生じてしまいます。まあ人がすることですしすね・・・。そのため、その基準となる許容誤差「公差」というものを規定して、一定の精度を保つようにするのです。

 

場所によって精度区分が分けられており、要求される精度が異なっています。地価の高い都心部と郊外の山林・原野と同じ精度で測量する必要がないという理屈です。

 

札幌の住宅地ですと多くは「甲2」という精度区分に該当すると考えられます。

 

例えば、精度区分甲2のエリアで、間口が20mの土地の場合、8.5cmの誤差まで問題ないということです。

 

測量にかかる費用を解説

 

 

ここからは境界確定のための測量にかかる費用について解説します。

 

隣地との境界についての紛争がなければ、測量の専門家に依頼して、隣地の所有者と合意のうえで境界を特定する流れとなります。


測量の専門家の代表格が「土地家屋調査士(以下、調査士)」でしょう。「調査士」に依頼する場合、測量費用は30万円〜80万円が相場ですが、形が複雑な土地や100坪を超える土地では高額になるケースも考えられます。


また、官有地と民有地の境界(道路との境界というケースが多い)を確定する官民査定の有無でも費用が変わり、官民査定がある場合はおよそ60万円〜80万円、官民査定がない場合はおよそ30万円〜50万円です。札幌市内の住宅街ですと、一般的に30万円程度の費用といったところでしょうか。

 

測量の専門家の代表格が「土地家屋調査士」と申し上げましたが、境界の確定測量は「調査士」の専権業務ではありません。

 

地積更正登記や分筆登記などの登記が伴う測量は、「調査士」にしかすることができませんが、境界の確定測量は「調査士」ではない一般の測量会社に依頼することもできます。

 

一般の測量会社は、「調査士」ではなくても「測量士」という国家資格者を有している「測量の専門家」です。

 

その二つはどうちがうの?

 

「調査士」は登記が伴う測量の専門家、一般の測量会社は登記が伴わない測量の専門家と、大まかに業務内容で分けることができます。登記が伴わない測量とは民間の用地測量から河川、道路などの公共測量など、その範囲は広いといえます。

 

一般的に測量業界では「調査士」の測量費用は高目・・・と言われることがあります。

 

登記が不要であれば、「調査士」以外の一般の測量会社で比較的安価な費用でできるケースもありますので、測量の種類によって「測量の専門家」を選ぶことも必要でしょう。

 

まとめ

 

  1. 土地売却時のトラブルを避けるためには、境界線を確定することが不可欠。
  2. 境界の確定は「測量の専門家」に依頼することが一般的だが、隣地と紛争になっているケースは「筆界特定制度」という制度を活用するのも、訴訟と比較して時短や費用の面でメリットがある。
  3. 測量の専門家は「土地家屋調査士」が代表格。「土地家屋調査士」の費用は、土地の形や大きさ、測量の内容によっても異なるが、おおよそ30万円~80万円が相場。登記が伴わない測量だと一般の測量会社の方が安いケースもある。


境界があいまいになっている土地の売却を検討しているなら、本記事を参考に早めに準備をはじめましょう。


札幌市・札幌近郊エリアで不動産売却をお考えの方は、ぜひ「ハウスドゥ!札幌大通店」までお気軽にご相談ください。

 

女性

はじめての方もご安心ください。経験豊富なスタッフが、
物件探しのノウハウや資金計画まで丁寧にアドバイスさせて頂きます!

見るだけ聞くだけOK

電話で問合せ

通話料無料

0120-334-323

定休日:日曜、祝祭日、第1・3土曜日
営業時間:9:30~18:30(土曜日9:30~17:30)

ページトップ